72杯のご飯

配布元様




緩やかに、永遠にのびていく

20051223


夢を歌った。
空にのびる声は、どこまでも遠く遠く。
果てしない未来の先まで。
緩やかに、永遠にのびていく。

私は生まれた。
二重螺旋は絡まりあって姿を変えてはのびていく。
私が朽ち果てるまで。
緩やかに、永遠にのびていく。

緩やかに、永遠に伸びていくそれらを、私は愛し、憎み、吸収し消化して生きていく。


生きるために死ぬのか死ぬために生きるのか、それとも生きようとする者の為に死ぬのか。

20051218


ペットボトルの中のぬるい水。
ごくりと飲み干し私は立ち上がる。
立ち上がる。
見据えた先に見えるは私の敵。
私の守るべき私の大切な人々を虎視眈々と狙う、私の敵。
私は彼の前に立ちはだかり、彼を殺そうと身構える。
彼は私を殺そうと身構える。
銃声。
二発の。
バキュン、と鳴って、夜明けに消えた。
二発の銃声。
だらだらと血を流し、倒れる私の敵。
彼はどうして死んだのだろう。
あぁそうだ私が殺したのだ。
私が殺してしまったのだ。
彼はどうして生きていたのだろう彼はどうして死んだのだろう。
ドサリ、と大きな音。
誰だろう。
誰かが倒れてしまったのだろうか。
目の前に、ダンゴムシ。
そうか私が倒れてしまったのか。
二発の銃声。
一発は私の敵を殺し、一発は私を殺し。
そうして私は生きようとする者の為に死んでゆく。


その名を呼ぼうか眠ろうか

20051212


おやすみなさい、と君の声が空気を震わせる。
合宿所、夜の空気は澄み切って、部屋の中は何人もひっついて寝ているというのにまだ寒い。
おやすみ、と返して僕は逡巡する。
君の名を呼ぼうか呼ぶまいか。
そうして、僕は。

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